●こんにちは、まこちょです。
よく英語参考書などでは、neither = norと紹介されているところもあるのですが、果たして本当にそうでしょうか?
実はこのneitherとnorは一見同じような使い方ができるように思えますが、実は似て非なるものです。今回はこの2つの類似性を狙った問題をみなさんと一緒に考えてみようと思います。
特にこの2つはneither V+S、nor V+Sなど、後ろの文が「倒置」することが有名なのですが、以下の入試問題はそれだけでは解答することができません。
じつに上手くできた問題でしっかりと実力が出る良問と言って良いでしょう。
ぜひ考えてみてくださいね。
本日の問題
【問】空所を入れるのに適切な表現を次から選べ
① We were now only a few feet from each other, I was just about to break into a big, broad smile, when suddenly I recognized him. ② It was Anthony Quinn, the famous film star. ③ Naturally, I had never met him in my life, ( ).
ア nor he me
イ nor did he
ウ neither did I
エ neither had I
[東大 2006]
【解説】
この問題は2006年東大の問題です。( )に適切な語句を入れる問題なのですが、どうでしょうか?
相変わらず問題文全体に平易な単語を使っている割には、答えを出すのに「知恵」が必要な問題になっています。東大の問題はいつもそうですね。
①~③の3文構成ですが、比較的簡単に読めるのではないでしょうか。
この問題は第③文を使って解いていきますので、ちょっと見てみましょう。
Naturally, I had never met him in my life, ( ).
選択肢を見てみるとnorとneitherの使い方を聞いているのが一目瞭然。
まずはこの違いがちゃんと分かっているか?を聞いているんですね。
よく大学入試の問題集ではこういう風にご紹介されています。
neither V + S
= nor V + S
「Sもそうだ」
ところが、これ気をつけてほしいんですけど、この2つ、正確には「=」じゃないんですよね。
neitherは「副詞」、norは「接続詞」なんです。
それが何か?とか思わないでくださいね。
この知識だけで選択肢のうち半分が候補から消すことができるんです。
この箇所は( )の中の全ての選択肢を考慮しても、
大文字から始まって文末までに「文が2つ」あることになります。
文と文を繋げるのには「接続詞」が必要ですね。これは「副詞」では無理なんです。
したがってneitherは英文法のルール上使えないと分かります。
neitherの使い方は以下の例文の通り。
例
This clock doesn’t keep good time, and neither does my watch.
「この時計は正確でない。私の時計もそうだ(正確でない)」
否定文 and neither V S = 「S もそうだ、S も~ない」
接続詞について記事はこちらへどうぞ。接続詞と文の関係もご紹介しています!
www.makocho0828.net
www.makocho0828.net
省略のルールを思い出そう
残りの選択肢はアかイということになりますが、この選択肢を絞る方法は「省略のルール」にあります。
nor V + S
「Sもそうだ」
この用法は【前の文】を受けて
S+V~, nor V+S
となるのですが、その時norの後ろの動詞(V)は
norの前の動詞の時制と「必ず」同じになります。
例 I am not your brother, nor is she.
「私はあなたの兄ではないし、彼女もそうだ」
例 He doesn’t play tennis, nor do you.
「彼女はテニスをしないし、あなたもそうだ」
問題の文では
I had never met him in my life, ( ).
と「過去完了形」ですから、( )の中も当然「過去完了形」の時制になっているはずです。
イの選択肢は一見それっぽく見えるのですが、didで「過去形」です。したがって時制がずれているのがよろしくない。
したがって答えはアが正解となります。一見ありそうもないこの選択肢が正解とは…!
この選択肢はもちろんこう書くのが正解なのですが、
I had never met him in my life, nor had he met me.
接続詞のルールとしてA and BのAとBが「文」の場合、Bの方に【一部省略がありうる】というルールが発動。
I had never met him in my life, nor had he met me.
赤い部分が同じ箇所になりますので、nor以下の【一部分】を省略してできたのがこの選択肢ってわけですね。
まったくもう…てな問題ですよねほんと!
全体訳「①我々は今やわずか数フィートにまで接近し、私は大きな満面の笑みを浮かべようとしたその時、突然彼が誰だかわかった。②有名な映画スターのあアンソニークインだった。③もちろん生まれてこの方彼に会ったことないし、彼も私に会ったことなどなかったのである」
まとめ
さて今回はいかがだったでしょうか。一見難解に見える問題でも英文法の基本をしっかり「理解」できているかが問われている良問でしたね!
ではまた
合わせて読みたいこんな記事があります
【お知らせ】
「倒置」の厳選問題集が出来ました!
コメント