この記事は
不定詞の結果用法って難しくないですか?同じto Vですが、場合によっては「~するために(目的)」と「その結果…だ(結果)」のどちらを選んだらよいか分からなくなるときがあります。ぜひ見分け方の方法を教えてください!
と、不定詞の結果用法について悩んでいる英語学習者に向けて記事を書いています。
●みなさんこんにちは、まこちょです。
不定詞の副詞用法として「目的」「感情の原因」「判断の根拠」など、非常に種類が豊富で、苦手にしている方が多いようです。
そして今回説明する用法も副詞用法の一種なのですが、やはり「?」がついてしまう方が続出しますね。
そう、それは不定詞の「結果」用法と呼ばれるものですね。
不定詞の副詞用法には「その結果…だ」と解釈する用法があるのですが、よくある質問として、この用法は副詞用法の「目的(~するために)」と一体何が違うんだ?と考えてしまうことが多いようです。
例えばA to Bという形で、
A to B
「BするためにAした(目的)」
と
「Aして、(その結果)Bした」
は一体何が違うんだ?ということですね。確かにこれは同じことを言っているように見えます。
そこで今回は不定詞の結果用法について徹底解説!以下の記事を読むと次の点であなたの英語力は向上するに違いありません。
▶「目的」と「結果」の違いについて理解できる
ぜひマスターしていただいて、今後の英語学習にお役立てください!
不定詞の「結果」用法とは?
不定詞の結果用法とは、副詞用法の一種なのですが、以下のような特徴を持っています。
1.toが「→」の役目を果たす
2.A to Bで「Aして(その結果)Bした」となる
3.過去形で使うのが普通
ちょっと難しいので例文から確認してみましょう。
例
I awoke to find myself in a hospital.
この英文は途中でto findと不定詞が使われています。awokeはawake「目が覚める」の過去形表現で、自動詞なんですね。
したがってto find以下はM、しかもtoの前に名詞がありませんから形容詞用法ではなく、副詞用法と分かります。
I(S) awoke(V) [to find myself in a hospital](M).
これまでの学習で、不定詞の副詞用法は「目的」と「感情の原因・判断の根拠」があることを学習しました。ですがこのto不定詞はこれまで学習した用法のどれにも含まれないことがお分かりかと。
不定詞の副詞用法については以下の記事が参考になります。
例えばこのto find以下を「目的(~するために)」として解釈した場合はどうなるのかというと、
I awoke to find myself in a hospital.
「私は自分自身が病院にいると分かるために目が覚めた」?
まったく意味をなさないことが理解できるかと思います。
こんな時、今回学習する「結果用法」を疑ってみましょう。結果用法はto の前の内容を受けて、「その結果~になった」と繋げる用法です。
イメージ的にはtoが「→」の矢印の役目を果たしている感じでしょうか。
A to B
↓
A ⇒ B
「Aした。(その結果)Bになった」
したがって今回の例文は
I awoke to find myself in a hospital.
↓
I awoke 【⇒】(I) found myself in a hospital.
「目が覚めた。(その結果)自分自身が病院にいると分かった」
↓
「目を覚ますと、(結果)病院にいることに気付いた」
と解釈します。
この用法は「【結果】用法」ですので、A to BのAとBもすでに「過去」のこと。したがってA(主節)は過去形になっていることが多いのです。
ではその他の例文を見てみましょう。
例
He grew up to be a famous politician.
↓
He grew up【⇒】(he) was a famous politician.
「彼は大きくなって(その結果)有名な政治家になった」
例
He lived to be 100 years old.
↓
He lived【⇒】(he) was 100 years old.
「 彼は生きて(その結果)100才になった」
↓
「彼は100才まで生きた」
【結果用法によく使われる動詞】
→ wake / awake / live / growなど(以下はすべて過去形で書かれています)
★ woke up to V
★ awoke to V
「目が覚めてVした」
★ lived to V
「生きてVした」
★ grew up to V
「成長してVした」
「目的」と「結果」用法は同じ?
ここで、この結果用法についてよく上がる質問をご紹介しましょう。それは以下のような英文で起こるんです。
例
We can use light to turn night into day.
この英文ってto turn以下が不定詞の副詞用法なのですが、意味は「目的」でしょうか、それとも「結果用法」でしょうか?
結論を言うと、この場合はどちらに解釈しても構いません。
は、「夜を昼に変えるために(目的)、光を使うことができる」とも「光を使うことで、(結果)夜を昼に変えることができる」とも理解でき、どちらでも意味はあまり変わらないので、こだわらなくて大丈夫です。
ところが次の文はいかがでしょうか。
I stopped my car to make a phone call.
make a phone call : 「電話をする、電話をかける」
この場合なのですが、to makeの部分は「目的」と「結果」では意味のニュアンスがだいぶ変わります。例えば副詞的用法の「目的」で解釈すると
(目的)「私は電話をかけるために車を止めた」
となりますが、この和訳だと、車を止めた後に実際に電話をかけたかどうかわかりません。to VのVというのは「これからVする」であり「未来傾向」になるからですね。
to Vと動名詞~ingの「性格」の違いについて具体的に学習したい方は以下の記事を参照してください。
ところが、【実際に電話をかけたことが分かっている場合】、次のように和訳したほうがいいのです。
(結果)「私は車を止めて電話をかけた」
副詞用法の「結果用法」というのは言葉を変えるとA to BのAとBは「すでに終わっている」内容です。
つまり過去の内容ですので、to V以下の内容がすでに実行されたことが100%分かっている場合は「目的」よりも「結果」用法で解釈するのが良いでしょう。
つまり副詞用法の「結果用法」というのは、以下のように言っているに等しいのです。
I stopped my car to make a phone call.
↓
I stopped a car and made a phone call.
もう1ついきましょう。次の英文はどうでしょうか。
例
He worked hard to be a rich man.
この文章も2つの訳ができますよね。
(結果)「彼は良く働いてお金持ちになった」
(目的)「彼はお金持ちになるために良く働いた」
もちろん、この2つの訳はどちらも間違いではありません。
ただし、文章の読み手が「彼が既にお金持ちになったという事実」を知っている場合は「彼は良く働いてお金持ちになった(結果)」と訳すのが良いでしょう。
読み手が「彼が既にお金持ちになったという事実を知らない」場合、又は「彼がお金持ちに成れなかった事実を知っている」場合には「彼はお金持ちになるために良く働いた(目的)」と訳すのが適当です。
1.通常は「目的」「結果」両方の解釈が可能の場合が多い
2.to V以下が「過去」の話であったら「結果」用法
その他の「結果」用法
上記のほかに結果用法はまだあります。以下の形は非常に特徴のある形をしていますので、ぜひ押さえておいてください
only to V
例
I hurried to the station, only to miss the train.
「急いで駅に向かったが、列車に乗り遅れてしまった」
A, only to Bで「Aした(しかし)Bした」という意味になります。only toがbut「しかし」の意味合いになるのが特徴的ですね。onlyの前のカンマ「,」はなくても問題ありません。
したがってonly toをbutに書き換えられるのも当然と言えば当然ですが、but以下の動詞はしっかりと「過去形」にするのを忘れないようにしましょう。
I hurried to the station, only to miss the train.
↓
I hurried to the station, but (I) missed the train.
※※※注意※※※
このonly to Vは特徴があるだけに、英文中でみた瞬間に「結果」用法で解釈してしまう方がいらっしゃいますが、実は「副詞用法」もあるのは注意が必要です。「ただVするためだけに」と解釈する方法があることは絶対に押さえておきましょう。
1.「結果」:「しかしVした」
2.「目的」:「ただVするためだけに」
例
John lives only to make money.
「ジョン氏はただ金を儲けるためだけに生きている」
つまりonly to V も「結果用法」と「目的用法」の2種類があることになりますが、onlyの前にカンマがついたときは、基本「結果用法」で訳すのは忘れないでください。
never to V
to不定詞の前にneverがついた結果用法です。A, never to Bで「Aした、そして二度とBしなかった」と解釈します。
neverが否定するのはto V以下であることに要注意。基本としてnotやneverなどの否定の副詞は自分よりも「右側」しか否定しないことに注意してください。
例
He went to America, never to come back.
「彼はアメリカに行ったまま二度と戻ってこなかった」
例
She disappeared one day(,) never to come back again.
↓
She disappeared one day(,) and (she) never came back again.
「彼女はある日姿を消して(その結果)決して二度と帰って来なかった」
不定詞の結果用法のまとめ
さて、今回は不定詞の「結果」用法についてまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。
不定詞の「目的」と「結果」用法ですが、実は表裏一体の表現であり、通常は両方の解釈が可能である場合が多いのです。したがってそこまで神経質になる必要はないかと。
つまりどちらを選ぶかは「文脈依存」になる場合が多いですので、to V以下がすでも行われたかどうかで「目的」か「結果」かを判断すればよいでしょう!
また会いましょう。
不定詞の学習方法が分からない方は以下に勉強方法をまとめています。良かったら参考にしてみてくださいね。
コメント
今まで、おおざっぱに理解していたつもりでした。今回、only to V には2つの意味があることがはっきりわかりました。ありがとうございました。