● こんにちは、まこちょです。
今回は助動詞のwill / wouldについて学習したいと思います。なぜって、willは意外に難しいからなんですね。
皆さんは“will”と聞いて(見て)何を思い出しますか?
…そう、「~するつもりだ」とかいう「未来」の内容を表す、ということですよね。参考書によっては「未来形」なんて表現で紹介していますね。
ですが断言します。
そんな!薄っぺらい!理解では!真の!willの!覇者には!なれん!!!!!( ゚Д゚) 試しにこちらの文を見てみてください。
She will be waiting at the station now.
……未来なの?現在なの?なんなの?と混乱した方も多いのではないでしょうか。
will=未来 というイメージに固執してしまうと、この文を把握することはできません。
ではどうすればいいのか。答えは簡単です。「基本イメージ」を把握すればいいのです。じゃあその「基本イメージ」ってなんだろう?
willの基本イメージはこれだ
ちょっとずつ紐解いていきましょう。まずは以下の文を比べてみてください。
(A)I will watch a DVD at home next weekend.
(B)I am going to watch a DVD at home next weekend.
どちらも学校では「私は次の週末、DVDを見る予定です(つもりです)」なんて和訳で教えられますし、書き換え問題にもなりますが、実は持っている意味合いは微妙に違うんです。
ここにwillの基本イメージが入り込みます。
willの基本イメージ:無計画
(A)の文をより正確に捉えるなら、
「ん?あぁ……今度の週末かぁ……暇なんだよな……っし、DVDでも見るかぁ」
みたいな感じです。「今その場で決めた」感が満載ですね。思いつき的な。そうwillの基本イメージは「無計画」です。
be going toの基本イメージ:計画的
そこと比べると(B)はbe goingと、進行形が入り込んでいます。もうその予定に向けて動きはじめているんですね。だから、
「今度の週末?DVDを見るんだ!」
みたいになります。きっと何かDVDを既に用意しているんでしょう。「前もって決めておいた」「もともとそうするつもりでいた」という感じです。
そう、be going to はどこまでいっても「計画的」なんですね。これは大きな違いですよね。
この二つを比較してみるとwillの持つ基本イメージが見えてくるんじゃないでしょうか?
そう、willには「こうなるんじゃないかなあ」「こうすると思うよ」という、「話し手のその場の気持ち(意思)」が根底にあるんです。これが基本イメージ。
will(would)のその他の用法はこれだ
では先ほどの文を改めて見てみましょう。
She will be waiting at the station now.
もう分かりますね?「彼女は今駅で待っていると僕は思う」、もっとカジュアルに言うと「彼女、今頃駅で待ってるんじゃないかな?」、そんな風に推測している文だったんですね。
このように、will(過去形:would)には「未来」ではない、別の意味合いが隠されていたんです!たくさんあるのでガンガン紹介していきます!
【1】推量
これは先ほどご紹介した、「推測している」というものですね。
未来に対する推測だけではなく、「今こうだろうな」という、現在の物事に対しても使うことができます。先ほどの例文の通りですね。「話し手のその場の意思」という基本イメージを派生させて考えれば、納得できるはずです。
【2】傾向
ぱっと見では意味合いを把握するのが難しい文章になることが多いのが特徴といったところでしょうか。こんな例文がよく使われます。
例
Boys will be boys.
「少年は少年になるつもりだ」
…( ^ω^)?
will=未来 の「旧来型イメージ」で捉えてしまうと訳が分かりませんね。では、「意思」という「基本イメージ」で」捉えてみましょう。
「少年は少年として存在しようと思っている」
…(・ω・)
神話になーれ!的なにおいがしますが気のせいです。
ちょっとつかめるようにはなりましたかね?若干無理くりな感じもしますが、この日本語を整えてあげましょう。
「少年は少年らしくしようとしている」、もっともっとカジュアルに言うと「男の子ってそういうもんよねー!」ということになります。ほら、「そういうもんよねー」という日本語、つまり「傾向」という使い方につながりましたね。
【3】依頼
例
Will you lend me your pen?
Would you lend me your pen?
この使い方です。どちらも、「ペンを貸してください」というお願いの表現です。Please lend me your pen. と言い換えても同じですね。ここにも、基本イメージが生きてきます。
相手の「ペンを貸してやろう」という「意思」の有無を尋ねている、というのが根幹の意味合いなのですね。
なぜ助動詞の過去形は丁寧になるのか?
ちなみに、Will you~?とWould you~?の二つの表現、「貸してくれませんか?」という気持ちを伝えるというのは勿論共通していますが、学校などでは「Would you~?の方が丁寧な表現です」と教わります。
なぜだかご存知ですか?
willとwouldを比較してみると…そうですね、wouldはwillの過去形です。
だからと言って、別に意味合いが過去になるのかというとそんなことはありません。ただ、この「過去形である」ということがカギを握っているんですね。
英語の中で「過去形」は、「現在」の時間軸とは切り離されたものとしてとらえます(だから過去形と現在完了形で意味合いが変わるんですね)。
つまり、「現在」よりも「距離がある」話になります。
ちょっとわかりにくい喩えかもしれませんが、この「時制における距離感」を把握することが英語の世界では重要です。時制の距離が、現在からみたときにwillよりもwouldの方が遠いんです。
その距離感こそが、「人間関係の距離感」です。
だから、Will you~?よりもWould you~?の方が「人間関係の距離感が遠い」=「あまり近しい間柄ではない」となり、結果「Would you~?の方が丁寧な表現です」という説明になるのです。
さて、話を戻してwill/wouldの使い方を見ていきましょう。ここから先の使い方は「wouldがwillの過去形である」という情報が生きてきます。
【4】習慣
これも「基本イメージ」の「意思」の意味合いを引き出してくるととても理解しやすい表現です。
He will often take a walk in the morning.
「彼は朝によく散歩をする意思がある」
ちょっと不自然な日本語ですかイメージを忠実に投影するとこんな感じです。ここから整えてあげると
「彼は朝によく散歩をしている」
という「現在の習慣」を表す文になるわけですね。
この表現の特徴は、oftenやsometimesという、「よく」「しょっちゅう」「時々」を表す単語とセットになっていることが多いことです。見た目にも分かりやすい特徴ですね。
さて、ここで先ほどの「wouldが過去形ですよー」という情報を足してみましょう。
He would often take a walk in the morning.
…もう意味合いはつかめますね?
「彼は朝によく散歩をしていた」という「過去の習慣」を表す文になります。この文の裏には、「ま、今はどうなのかわからないけどさ(´ω`)」という気持ちが隠されています。
would oftenとused to の違いとは?
「過去の習慣」というと、used toを連想される方も多いでしょう。
He used to take a walk in the morning.
こんな感じですね。
この文との違いは、まさにその「隠されている気持ち」です。
used toの裏には「ま、今はもう違うんだけどね…」という、憂いにも似た気持ちが隠れています。ですので、
He would often take a walk in the morning.
「彼は昔、朝に散歩していたよ。今ももしかしたら続いているかもしれないね」
He used to take a walk in the morning.
「彼は昔、朝に散歩していたんだよ。今はもうそんなことないけどね」
という違いが表れます。字面だけでは見えてこないニュアンスですね。
【5】固執
これも「基本イメージ」の「意思」を引っ張り出しましょう。
例
The door will not open.
「ドアには開く意思がない」
↓
「ドアがどうしてもどう頑張っても開かない」
建てつけが超悪いんでしょうね。もうぶち破るしかないかな、みたいな(笑)こんな風に、否定文で使うことが多いのが特徴です。ちなみにこれもwouldにしてみましょう。
The door would not open.
would=過去形 を利用しましょう。「ドアはどうしても開かなかった」ということですね。
あとがき
いかがでしたでしょうか。willの基本イメージ「意思」はつかめましたでしょうか?助動詞は一つの単語で様々な使い方や意味合いを持っているものが多く、苦手としている人も多いと思います。
けれど、こんな風に「基本イメージ」をしっかり捉え、そこから派生させていければすんなり飲み込めるものなんです。
ぜひコツコツ身につけていただければと思います。また会いましょう!
助動詞の学習方法についての手順を知りたい方は以下の記事を確認しておこう!
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