● いつもありがとうございます、まこちょです。
英作文やライティング学習で何気に難しいのが「時制の一致」と言われるもの。みなさん時制の一致ってご存知でしょうか。
英語には主節と従属節という関係があり、難しく考えたくない方は「主節=親分」、「従属節=子分」と捉えていただくと分かりやすいかと。
そう、英文の世界にも仁義なき世界が広がっているということですね。
子分は親分に逆らえません。したがって親分が「過去形」になったら一連卓上、子分も「現在形」なんかでもたもたしているわけにはいかないのです。もちろん親分と同じ「過去形」になりますよ、それがこの世界、非情なんです(笑)
ところがこのようにある意味規律がしっかりしているこの英語界でも、親分の言うことを聞かない反対勢力と言うやつがいるんですね。
虎視眈々とポストを狙っているというんですか?ちょっと分かりませんが、とにかく親分の意向を全く聞かないやつがいるんですよね。
あれほど過去形になれ!って言っているのにどこ吹く風、まったく無視ですわ(笑)
そのようなやつを「時制の一致の例外」といって、特別に覚えなければならない文法事項があるんです。しかもこの例外、結構あります。
そこで今回はこの「時制の一致の例外」について徹底解説。ライティング等に非常に役に立ちますので、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
時制の一致とは?
時制の一致の例外を知るのは、まず「時制の一致」とは一体何かわからなければなりませんよね?そこでまず、簡単に時制の一致とはこんなのを言いますよ、と説明します。
主節と従属節の違い
先ほど、主節と従属節の話がでましたが、そもそもこの節の種類が曖昧だという人が結構います。非常に簡単ですのでここでまとめておきましょう。
【主節と従属節】
● 主節
⇒ 主語(S)の前に「接続詞や関係詞」がないもの。省略は除く。
⇒ 英文に【必ず1つ】存在する
● 従属節
⇒ 主語(S)の前に「接続詞や関係詞」があるもの
ね?たったこれだけ。簡単でしょ?ちょっと練習してみましょう。
例
She was surprised when she heard the news of the accident.
「その事故の知らせを聞いたとき,彼女は驚いた」
この文章、最初からピリオドまで見ると、主語(S)と動詞(V)の箇所が2つあることに気づくでしょうか。そして接続詞のwhen。接続詞は後ろの文とワンセットなのです。つまり
She(S) was(V) surprised when she(S) heard(V) the news of the accident.
このようにビジュアル的にとらえていただければよいでしょう。
この文は赤い文と青い文のうち、どちらが「親分」なのかを見極めるには、もちろん主語(S)の前に接続詞があるかないかで判断します。とはいってもものすごく簡単。
接続詞なし ← She(S) was(V) surprised
when(接続詞あり) ← she(S) heard(V) the news of the accident.
つまりこの文ではShe was surprisedが「親分=主節」と言うことになります。
時制の一致の基本
時制の一致とは簡単に言うと、主節が「現在形 ⇒ 過去形」になると、従属節もそれに従い「現在形 ⇒ 過去形」または「過去形 ⇒ 過去完了形(大過去)」にしなければいけない用法です。例えば
例
I think that she is a student.
「私は彼女が生徒だと思う」
この文の主節はI thinkです。つまりこれがこの英文を支配する「親分」ということですよね。
このI thinkを過去形表現にするとI thoughtになります。この瞬間、子分であるshe is a studentもisを過去形にしなければなりません。これが「時制の一致」と言います。
I think that she is a student.
↓
I thought that she was a student.
「私は彼女が生徒だと思った」
従属節が初めから「過去形」だったとしても「時制の一致」を受けますよ。
I think that she was a student.
↓
I thought that she had been a student.
「私は彼女は(以前)生徒だったと思った」
この基本ルールをもとにして時制の一致の例外はどんなものがあるか見てみましょう。
時制の一致の例外
比較的メジャーなものから、え?それも?的なマイナーなものまでご紹介します。
不変の真理・社会通念
不変の真理とは、おそらく私たちが生きているうちは変わりようのないもの、つまりほぼ「半永久的なもの」と捉えていただければよいでしょう。
「太陽は東から上る」「地球は太陽の周りを回る」などが不変の真理と呼ばれるものですね。
例
He said that man is mortal.
「彼は、人間はいつかは死ぬと言った」
例
I knew that the sun sets in the west.
「太陽は西に沈むと私は知っていた」
ことわざ
ことわざ内の動詞も時制の一致を受けません。と言いますが、いつの時代にも語り継がれるから「ことわざ」と呼ばれるのであって、つまりこれは「不変の真理」と変わらないんですよね。
例
He would often say, time is money.
「彼はよく、時は金なりと言っていた」
現在の状態
この状態は意外に判断が短いのですが、あくまでも「現在」も状況が変わっていないという条件ならば「時制の一致」を受けないでそのまま書くことが可能です。
英文で、時制の一致を受けずに現在形で書かれている場合、それは現在も変わらないということを暗に表していることをしっかり理解しましょう。
例えば先ほどご紹介した英文ですが、
例
I thought that she was a student.
この文は、彼女が【今は学生ではない】ことを表しているのですが、もしこれが彼女が現在も「学生」だったら、wasではなくisで構いません。
I thought that she is a student.
このように、時制の一致のルールをワザと破ることで、話し手は内容が「今でも成り立っている」と意識させることができるんです。
例
He said his Dad plays tennis every Sunday.
「彼は父が毎週日曜日にテニスをするって言った」
この文は本来は時制の一致がかかってplaysの部分はplayedのはずです。ところがこのようにあえて時制の一致を受けないようにして【今でもテニスをしているよ】というニュアンスを加えているんです。なんか難しいですね。
歴史上の事実
歴史というからには、今を軸にして考えればそれはすべて「過去のこと」。したがって歴史上の事実はすべて「過去」で表現するんです。時制の一致を受けません。
例
Everyone knew that the World War 2 ended in 1945.
「皆は、第2次世界大戦が1945年に終結したことを知っていた」
通常、主節が「過去形」ならば、従属節がもともと「過去形」の場合、時制の一致により「過去完了形(大過去)」になるはずですが、歴史上の事実は【必ず過去形】のままで表現します。
ちなみに余談ですが、昔私の生徒が、「わたしが○○年に生まれた」というのも歴史上の事実には違いないので、時制の一致を受けませんよね(笑)なんて言っていましたが、
えっと…歴史上有名な事実(年表とかに記載されている内容)でなければだめです。
仮定法
さて、ここからは少々難しくなります。従属節内に仮定法が使われた場合、例え主節が「過去形」になっても時制の一致を受けません。
例
I said that I would scream, if you kissed me.
「私にキスしたら大声を出すと言った 」
助動詞must / shouldなどを使った文
助動詞を使った文は全部、と言っているわけではありません。例えばwillやmayやcanなどはしっかりと時制の一致を受けますよ。
例
I think that it will rain.
「雨が降ると思う」
↓
I thought that it would rain.
「雨が降ると思った」
ところが、mustやshould、ought to、had betterなどの助動詞は「過去形」の形がそもそも存在しません。したがってこの助動詞を使った場合は「そのまま」でok。つまり「時制の一致」を受けません。
例
I think that he should divorce his wife.
「僕は、彼は奥さんと離婚すべきだと思う」
あとがき
さて、今回はいかがでしたでしょうか。このように「時制の一致」の例外といってもその種類は多岐に渡り、なかなか一筋縄ではいかないポイントなのです。
ぜひモノにしていただいて、今後の英語学習にお役立てください。
また会いましょう!
時制の学習方法がよく分からない!という方は以下のボタンをクリックしてみてください。時制の単元を効率よく学習できる手順をご紹介しています。
コメント