「タフ構文」とはいったい何!?その不思議な不定詞構文を徹底的に検証してみた!!

やさしく語る英文法

 

この記事を読むと
「タフ構文」のいやらしさがわかります

 

● みなさんこんにちは、まこちょです。

 

先日、生徒からこんな質問が。

 

 

「先生、【タフ構文】っていったい何ですか?」

 

 

 

どうも学校の授業中に先生がサラッと口に出したらしいです。

 

確かにいきなり知らない用語とか使われると動揺しますよね。

確かにこの「タフ構文」とかいう名称、とくに勉強の過程でこういうんだよ、と教えられたわけでもないわりに突然先生が使ってくる代表例。

 

一体このタフ構文とは何なのか?今日はこの構文をテーマに記事を書こうかなと思います。この構文、実は大学入試問題で「ダークホース」的な存在であることを受験生は知らない…(笑)

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タフ構文って何なのよ?

タフ構文は「不定詞」の構文の一種です。したがって当たり前ですが英文法の「不定詞」の単元で出てくるんですね。



みなさんは例えばeasyなどの形容詞を使って文を書くとき、



例①

It is easy to understand English.
「英語を理解するのは簡単だ」




というふうにIt is 形容詞 to Vの構文をつかって英文を書くと思うんですよ。



そう「タフ構文」というのはこのIt is 形容詞…で始まる文で起こるんです。



この例①の最後の単語はunderstandの目的語(O)English。



この一番最後の名詞を【文の前に移動し、Itの代わりに使うことができる】んです。つまり、




English is easy to understand.




とこのように表現することが可能なんです。変でしょ?



こんな構文があるんですが、もちろん特徴があるので、ここでちょっとまとめてみましょう。

タフ構文の特徴

 


タフ構文の特徴
① to以下の他動詞、または前置詞の目的語(O)が文頭に出たもの
②後ろのto以下に名詞が入る場所が【一か所空いている】
③形容詞の種類がある程度決まっている


と、このあたりがポイントになります。



①と②の流れは当然と言っていいでしょう。もともとは後ろに会った名詞が前にいっちゃうわけですから当然本来あった名詞の箇所は「空白」になっているはずですものね。



そしてこの点を上手くトリックに使った入試問題が頻出するのですよ!



まずはこの問題は正誤問題なのですが、みなさん、どこが間違っているか分かりますか?



【問題】間違いを探せ


This river is dangerous to swim in winter.




一発でわかった人は素晴らしい!しっかしよくこんな問題考えつきますよね…



この問題はdangerous「危険だ」という形容詞が使われています。この形容詞も先ほどのeasyなどと同じように基本は



It is dangerous to swim….



It isから文をスタートさせる構文で使うんです。これがこの問題の前提になってる。



つまりこの文はすでに通常では【ありえない】形で文が出来上がっていると考えてよい。



だってItからスタートだと言っているのに、This riverからスタートしているんですもの。そりゃ変ですわ(笑)



そうこの文は「タフ」構文なのだ。

主語を本来の位置に戻してみよう

したがってこのthis riverは本来は動詞の後ろ、つまりここではswimの後ろにあったということですよね?それならちょいと戻してみましょう。




It is dangerous to swim this river in winter.




ところで、swim「泳ぐ」って他動詞だったっけ???



もう賢明な読者の方ならお分かりかと思います。swimは自動詞で後ろに「名詞」を直接くっつけることは出来ないんです。つまりswim this riverなんて形は作れません。



じゃあどうするか。inを使ってつなげるんです。つまりこう。




It is dangerous to swim in this river in winter.



ちょっとこの形から先ほどの「タフ構文」に戻してみましょうか。




This river is dangerous to swim in in winter.




マジかよって一回くらい間違えておいた方が良いかと思います。ほんとに(泣)in inってちょっと…! みなさんの心が暗闇に「イン・イン」しちゃいますよね。



もう一つぐらいやっておきましょうか。

後ろに戻せる場所がない!

【問題】間違いを探せ



Ken will be difficult to pass the examination.





difficultIt is difficult…で使う形容詞。したがってこの文も主語がKenになっていますので「タフ構文」であることが分かることが第一関門。



ではこのKenは本来は後ろにあったのだ。では戻してみましょう、って…



Kenを置く場所がpass以下に空いていないわけだが



タフ構文は先ほどのルールで分かりますように、動詞の後ろが空いていなければだめですからね。したがってこの文の正しい形はKenがpassの主語であることに着目し、




It will be difficult for Ken to pass the examination.



となっていたらバッチリだったわけです!ね?怖いでしょ(笑)



不定詞の主語の書き方についてはこちらに記事をどうぞ
www.makocho0828.net

 

タフ構文でよく使われる形容詞

最後にこのタフ構文でよく使われる形容詞をまとめておきましょう。


easy / difficult / hard / dangerous / impossible /possible/ tough

 

07/27【追記】:ここは必ず読んでください!

このタフ構文なのですが、記事を公開したところ、複数の熱心な読者の方によりあるご指摘をいただきました。そのご指摘とは『「タフ構文」はimpossibleでは可能だがpossibleは「タフ構文」にすることはできない』というものです。な!なにぃ!!!?

 

さっそく他のサイトを含めた文献で確認したところ、確かに載っているんです。例えば『総合英文法』P1229によると、

 

タフ構文が使える形容詞は、難易度を表す形容詞か、愉快・不愉快を表す形容詞であると説明されていますが、下のリストを見ると、impossible はタフ構文形容詞であるのに、possible はそうでないということが記載されています。


・ 難易度:difficult、easy、hard、tough
・ 愉快・不愉快:awkward、convenient、nice、pleasant、unpleasant
・ その他:impossible、tricky
合計 11 個

【追記終了】

 

いや…これは本当に勉強になりました。この点を指摘してくださいました読者の方には深く感謝するとともに、まだまだ英文法にも知らないことがあるのだなぁと、奢ってんじゃねーぞまこちょ!とこの歳になって反省したしきりです。本当にありがとうございました!

 

いやしかし、それにしても不思議です。hard(difficult)とその逆の意味であるeasyは「タフ構文」化できるのに、なぜimpossibleの逆のpossibleはタフ構文にできないのだろう?不思議でしょうがない…というかあまりにも不思議すぎるので実は念入りに調べてみました。すると仮説レベルである考察を見つけたのでここでご紹介いたします。

 

【仮説】tough構文でpossibleが使えない理由

(1) This book is difficult to read. 「この本は読むのが難しい」
(2) The river is impossible to swim in. 「その川で泳ぐのは不可能だ」

上記の英文は一部の文法書にはtough構文と表示されている。
この構文は、S+難易・不可を表す形容詞+toVの形式になっており、toVの後ろには本来あるべき名詞を置かない。その名詞が主語と同じものだからである。(1)の文では、readの後ろには目的語がないのは、主語のthis bookと同じだからであり、(2)の文では、inの後ろに前置詞の目的語がないのは、主語のthe riverと同じだからである。

この構文を初めて見たという人は少ないと思われる。ほとんどの人は学校文法(伝統文法)で習っているはずである。また、大学入試でも出題されることもあり、受験参考書には、循環構文としてまとめられている。この構文で用いられる形容詞は、tough, difficult, easy, impossibleなど「難しい,易しい,不可能である」という意味の形容詞なので、「難易・不可」の形容詞としてまとめられていることが多い。

しかし、この構文では、impossibleの反意語であるpossibleを用いることができないのである。
例えば、This book is possible to read.は理屈では文法的に正しいように思えるが、実は非文法的とある。

いったい、なぜだろう。言語なので例外があるのは当たり前ということは承知の上だが、それにしても納得しづらい。
difficultの反意語であるeasyは使えるのに、なぜ、impossibleの反意語であるpossibleは使えないのか?

1つの仮説を立ててみた。

その前に、能動受動態について触れてみる。次の文をJespersenが能動受動態と名づけた。

(3) This car sells poorly.「この車はあまり売れない」
(4) Your translation reads well.「君の翻訳は読みやすい」
 
この構文は能動態の形式で受動的な意味を表し、生成英文法ではこれを中間態(middle voice)と呼ばれている。この文に使われる動詞はsell, readなどで、日本語では「売れる、読める」のような可能動詞が対応する。

※まこちょ注「能動受動態」については以下の記事を参考にしてください

能動受動態ってなんだよ!?ネタか?その動詞と作り方を教えます!
...

 

しかし、sell, readを使っても、次のような文は非文法的で、誤りである。
(5) This car sells. ← 非文法的
(6) Your translation reads. ← 非文法的

どうして(5) (6)は非文法的なんだろうか。それは、この構文では必ず動詞の後ろにpoorly, well, badlyなどの様態を表す副詞や形容詞をつけなければならないからである。(3) (4)の文ではそれぞれ動詞の後ろにpoorly, wellなどの様態を表す副詞がある。これらの副詞は情報構造上、新情報になっており、それらを削除した(5) (6)は新情報のない文とされ容認されないのである。

 

※まこちょ注 「旧情報」「新情報」についての記事はこちらをどうぞ

https://www.makocho0828.net/entry/2017-01-22-%E3%80%8C%E6%83%85%E5%A0%B1%E6%A7%8B%E9%80%A0%E3%80%8D%E3%81%A3%E3%81%A6%E4%B8%80%E4%BD%93%E4%BD%95%E3%81%AA%E3%81%AE%E3%81%8B%E5%BE%B9%E5%BA%95%E7%9A%84%E3%81%AB%E8%80%83%E3%81%88%E3%81%A6

 

ここで、話をtough構文に戻してみる。

(7) This book is possible to read. ← 非文法的

(7)の文は、possibleを用いているので誤りである。なぜだろうか。この文を無理やり訳すと、「この本は読める」という意味になり、日本語は「読める」という可能動詞になっている。これを能動受動態に書き換えると、次のようになる。

(8) This book reads. ← 非文法的

(8)の文には、新情報となる様態の副詞がないため文としては成り立たない。
よって、tough構文でpossibleが使用できない理由は、新情報となる表現が不足しているためということになる。

一方、impossibleの場合は否定要素が含まれているので、能動受動態に書き換えた場合には否定語が用いられる。否定後は新情報になる。そういうわけで、tough構文ではimpossibleは使用可能となることが分かる。


もちろん、仮説の段階なので何かあればコメントください。

≪参考文献≫
現代英文法講義 開拓者 安藤貞雄 著

まとめ

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さて今回はいかがだったでしょうか。このタフ構文実はこの他にもSVOCのOとCの間でも使われたり、関係代名詞の先行詞がらみの問題で使われたりと、とにかくいやらしいんです。



みなさんは私のように「いやらしい」人間になってはいけませんよ(笑)



ではまた

理解できたらこちらで演習しよう!

 

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