● みなさんこんにちは、まこちょです。
英文法の単元のなかに「仮定法」という項目がありますよね。Ifを使った「もし~ならば(だったならば)の仮定法表現が有名です。
このif節は「条件節」と言ったりしますが、実はこの「条件節」、何もif節ばかりではありません。けっこう他の表現に言い換えられることが多いんですよ。
当ブログでもif節に変わる条件節として以前ご紹介させていただいたことがあります。
参考までに
そのほかにもprovided、providing、supposing、supposeなどを使って条件節を表すことができますが、ここである生徒から以下のような質問を受けたんです。
「先生、条件節のifの代わりにsupposeとかprovidedとか使えるというのは分かるんですが、なぜsuppose / supposingは使えるのにsupposedはダメなのでしょうか?また、provided / providingはokなのにprovideはダメっていうのも納得いきません。頭が混乱してくるのですが…」
というもの。なるほど確かにそうだよね。全部~ing / ~edの形はok!とかしてくれれば覚えるのも楽ですしね。
それにしても、なぜprovidedの形はあるのにsupposedの形はないのでしょうか。一度気になると、なんか落ち着かないですよね。
そういうわけで今回はif以外の条件節はどのようなものがあるのか徹底的にほりさげると同時に、なぜsuppose / supposingはあるのに、providedのようにsupposedはないのか、その理由を徹底解説いたします。
ぜひ理解していただいて、今後の英語学習にお役立てください。
if以外の条件節はこれだ
まずはif以外の仮定法条件節は一体どんなものがあるのかちょっと網羅してみましょう。なおその場合は後ろにthat(接続詞)をつなげて表現するということは覚えておくと良いです。
① suppose / supposing (that)~
Ifの代わりに使える例の代表がこれでしょうか。If~ = suppose /supposing (that)~ と捉えてください。
例 仮定法条件節の場合
Suppose (that) he were a genius, you must have invented something useful by now.
「もし、彼が天才なら、今頃は何か役立つものを発明しているに違いない」
例 直説法条件節の場合
Supposing (that) you meet a bear in the woods, what will you do?
「もし森で熊にあったら、あなたはどうしますか」
なお、このsuppose / supposing that~はifと使い方が全く同じになるので、【仮定法のif節と、直説法のif節】の両方の使い方が可能です。ちなみに先ほどの予告通りsupposed that~の形はありません。理由は後述。
② provided / providing that~
これもsuppose / supposing that~と使い方は全く同じ。ただし直説法条件節で使います。
例 直説法の場合
I will go provided that she comes.
「彼女が来るのなら私も行きます」
③ given / assuming / considering (that)…
いろいろありますね(笑)こんなタイプもあります。suppose / supposing that~と違うところは、この表現での条件節は【仮定法】表現がないというところですね。
例 直説法
Given that this is true, what should we do?
「これが本当ならばどうするべきか」
例 直説法
Assuming that was successful, we can now use keychain freely.
「成功したと仮定すると、これでkeychainを自由に使用することができます」
例 直説法
I am doing well considering that I am getting old.
「私は年をとっていると考慮すると元気です」
なぜprovidedはあってsupposedはないのか?
ところで、なぜsuppose / supposingはあって、supposedはないのでしょうか?もちろんちゃんとした理由があるんです。いい機会ですから無理やり暗記ではなく、理詰めで理解してみましょう。
supposing / providing / provided that~は「分詞構文」
この表現で使われている~ing / ~edは「分詞」です。したがってこの形は「分詞構文」なんですよね。
分詞構文というのは接続詞と主語が同じ場合は「省略」し、動詞を~ing形(分詞)に変えた用法でした。
分詞構文っていったい何?と思った人はこちらの記事へどうぞ
したがってもともとの接続詞ありの形を復活させると、次のようになります。
provided (that) ~
= if / when it is provided (that) ~
providing (that) ~
= if / when they / it provide(s) (that) ~
supposing (that) ~
= “if / when I (we / you / they) suppose (that) ~
ですから先ほどの例を接続詞ありの文にするとこうなります。
I will go if it is provided that she comes.
そうすると分詞構文マスター(?)はある疑問が湧き上がると思うんです。それは文の主節の主語と、if節の主語が違うのならば、分詞構文化したときに主語(ここではit)は消せないのではないか?ということ。分詞構文というのは主語が主節と従属節が同じ場合に省略できるというルールがありますからね。
そう、つまりこの分詞構文は例外的な用法で「懸垂分詞構文」といいます。要するに慣用的な分詞構文というやつで、平たく言うと「分詞構文を使ったイディオム」ということもできます。主語が違うんだけど、慣用的に消して使っているんですね。
したがってこの文はこのようになっているんです。
I will go if it is provided that she comes.
↓
ここで主語のitが消えているのが【例外事項】
↓
I will go being provided that she comes.
↓
分詞構文のbeingは省略できるので
↓
I will go provided that she comes.
となっているんです。
ちなみにこのitは何を指しているのかというとこのitは「仮主語」のit。that節が本当の主語なんです。
懸垂分詞構文について詳しく学習したい方はこちらの記事をどうぞ
supposingの場合も考え方は全く同じです。
If you suppose (that) you meet a bear in the woods, what will you do?
↓
Ifと主語を消し、supposeを分詞に変えて
↓
Supposing (that) you meet a bear in the woods, what will you do?
となっているわけです。
Suppose (that)~の元々の形は?
ではそもそも~ingの形にすらなっていないSuppose (that)~はどうなの?ということになるのですが、じつはこれ、もともとの形が接続詞の文章からではないのです。
suppose that ~の形で考えられる元々の形は実は次のようなものです。
(Let’s) suppose (that) ~
Suppose (that) ~
そう、この2つの形でわかる通り、Suppose that~の元々の形は「Let’s~(~しましょう)の文か「命令文(~しなさい)」の文だったのです。とくにsupposeの命令文は条件節を導くことが可能です「~と(いう条件を)想定しなさい、そうすれば…」です。
supposed that ~の形はなぜない?
ではsupposed thatの形はなぜないのか?じつはこれ、supposeの動詞の性質によるんです。
この形がもしあるのなら、supposed that~のsupposedは「過去分詞」と言うことになりますので、もともとの形はこんな感じであったと推測されますよね(ないんですけど)
If it is supposed that ~
ところがsupposeは「自動詞」で、そもそも「受動態」を作れないのであった!つまりこの形ができないんです。
provided that~の形がokなのは、provideが「他動詞」であるからで、
A provide B
↓
B is provided (by A)
↓
Bの位置にthat節などがくると「頭でっかち」な文になるので「仮主語のit」を置きthat節を後ろに移動して
↓
It is provided that~
というプロセスを通ることが可能だからです。このパターンをsupposeは使えない!というのが真相なのでした。
受動態について学習したい人は以下の記事をどうぞ
自動詞・他動詞のしくみを知りたい人はこちらの記事をどうぞ
あとがき
Ifの代わりに使う接続詞は覚えるのも一苦労ですが、実は「理詰め」で成り立っているということをしっかりと押さえることが重要です。
大変ですがぜひ頑張ってくださいね!
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