● こんにちは、まこちょです。
英文法の単元の1つに「仮定法」というジャンルがあるのですが、この単元、英語学習者にとっては苦手な部類に入るようです。
仮定法というのは「現実とは遠い」ものを表す構文で、つまり一言で言うと「ウソ」の構文なのですが、公式的な「型」を覚えないと英文を作ることができないという点で、一筋縄にはいかない文のようです。
仮定法の公式っていったい何?と思った方、こちらの記事へどうぞ
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この仮定法には「もし~ならば」のIf節(通称条件節)があるのですが、この箇所、実はIfを使った形だけでなく、さまざまな形があり非常に分かりづらいことがあります。先週もある生徒が
「先生、仮定法のif節ですが、ぶっちゃけIf節の形を取っていないと、イマイチどこが条件節だかわかりません」
と私に質問にきました。この質問は仮定法に関して特に多いですね。
そこで今回は仮定法の条件節のいろいろな形をどうやって判断していくかを徹底解説。
「条件」の部分はここだ!としっかりと正確に分かるためには、まずこの英文は「仮定法」である、と分からなければならないのですが、そのコツを教えます!
ぜひ今後の英語学習に役立ててくだされば幸いです。
仮定法の特徴
まず基本的な仮定法の文を取り上げてみます。
例①
If I were you, I would not marry such a man.
「私があなたなら、あんな男と結婚しないのに」
例②
If I had had enough money then, I would have bought it.
「あの時お金が十分にあったら、それを買っただろうに」
例①の方が「仮定法過去」で、例②が「仮定法過去完了」という表現なのですが、仮定法表現をこうして並べてみるとある特徴があることが分かります。
この赤くなっている箇所をよく見ていただきたいのですが、wouldは助動詞の過去形です。
そう、仮定法の表現というのは、if節の方ではなく帰結節(主節)のほうに、必ず「助動詞の過去形」があることが特徴なんです。
助動詞の過去形がなければ「仮定法」ではありません(一部例外はありますが)。
なぜこのことが重要?と考えた方もいらっしゃるかもしれません。ですが英語は助動詞の過去形が文中に使われるシチュエーションは実はそれほど多くないのです。
代表的なパターンは次の3つしかないんですね。
② 時制の一致
③ 仮定法
例①
I would often spend my time reading in the library after school was over.
「放課後はよく図書館で過ごしたものだ」
⇒ would often は「過去の回想(かつて~したものだった)」
例②
I thought that he would go to America tomorrow.
「彼は明日、アメリカに行くと思った」
⇒ wouldは主節が過去形による「時制の一致」
would oftenについての詳しい考察は以下の記事をどうぞ
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このように、実は助動詞の過去形が英文中で使われる状況があまりにも少ないものですから、『助動詞の過去形を見たらまずは「仮定法」を疑え!』というルールができあがったのです。
このルールは、かなり実践に即したものであることをよく覚えておきましょう。
仮定法には必ず「条件(もし~ならば)」がある
「助動詞の過去形をみたら仮定法を疑う」というのは、実はかなり使えるルールです。
なぜかというと「仮定法」と疑った瞬間、必然的にあるものが近くにあることになるからです。それはコレ。
先ほどの例を見てみると
例①
If I were you, I would not marry such a man.
例②
If I had had enough money then, I would have bought it.
この青い箇所が「条件」の部分。そう、仮定法は必ず条件がなければならないのです。
条件の箇所がいつもif節とは限らない
この「条件」の部分ですが、じつはいつもif節とは限らないのです。これが今回のキモ。
いったいどんな形で「条件」の部分になっているを押さえれば今回はもらったようなものです!青い部分が「条件」にあたる部分ですのでチェックしてみてください。
【① If が省略されたとき】
例
Were I as rich as he, I would travel abroad.
「彼ぐらいの金があれば海外旅行でもするのだが」
まずありがちなのが、仮定法のifが「省略」された形です。そう、仮定法のIfは「省略」できるというのは非常に厄介ですね。今回は
If I were as rich as he, ….
の箇所のIfが省略されてwereを前に出した形です。これも助動詞の過去形wouldがあるから気づくことができるんですね。
Should I fail again (=If I should fail again), I would be discharged.
「またしくじるようなことがあれば解雇されるだろう」
Had she spoken (=If she had spoken), her accent would have shown that she was (an) American.
「しゃべれば彼女がアメリカ人だということが、そのアクセントからわかるだろう」
【② But for / without 「~がなければ、~がなかったなら」 】
例
But for air, no one could live.
「空気が無ければ、誰も生きることはできないだろう」
Without the accident, he could have been an excellent baseball player.
「事故が無かったら、彼は素晴らしい野球選手になれただろう」
But for =Withoutは仮定法の「条件」になることができます。またwithoutの逆でwith「~があれば」もあるんですよ。
例
With your advice, the project would have succeeded.
「君のアドバイスがあったら計画は成功しだだろう」
【③ otherwise「そうでなければ」 】
例
I had to go then; otherwise I would have missed the last train.
「その時私は出発せざるを得なかった。そうでなかったら私は終電を逃していただろう」
otherwiseについてもっと知りたい!実は入試頻出です
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ここまでは比較的有名なif以外の仮定法の条件ですが、次はいかがでしょうか。
【④ to不定詞 】
なんと「to不定詞」も仮定法の「条件」になることができます。くどいようですが、助動詞の過去形があるから気づくことができることに注意してください。
例
To hear him talk, you would think that Chicago is full of jobless persons.
「彼の話を聞いたら、シカゴには失業者がうようよしているのかと思うだろう」
To hear him talkの箇所が条件節で、If you were to hear him talkの代わりであることに気づいてください。
【⑤ 名詞(句)に仮定の意味を含めたとき】
これはハイレベル!なんと名詞の箇所が条件になっているというってもうね…三度申し訳ありません、こんなの助動詞の過去形がなかったら完全スルーですよね。
例
An excellent doctor would cure the serious disease.
「優秀な医者ならその難病を治すだろう」
ふうー、分かりますかこれ?まさか主語が「条件」になっているなんて…非常に分かりにくいのですが、実は「国公立2次試験和訳問題常連」。いや…受験生頑張ってくれホント(笑)
【⑥ 副詞(句)】
いや、もう勘弁してください(泣)こうしてみるともう何でもアリのような…
例
A hundred years ago no doctor could have cured this disease.
「100年前だったら、この病気をなおせる医者は一人もいなかったであろう」
あとがき
さて、今回はいかがだったでしょうか?仮定法の「条件」はifだけじゃない、それこそいろいろな形に変えてあなたを襲う(?)んです。それを気づくにはどうすればよいか?
最後にみなさんと歩調を合わせて今回はお開きにしたいかなと思います。
仮定法の学習方法がわからない!そんな人は以下をクリックしてみてください。
せえの…
助動詞の過去形を見たら、仮定法を疑え!!
助動詞の「過去形」が通常の過去形とはちょっと違う理由についてはこちら
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ではまた。
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