この記事は

比較の「倍数表現」っていったい何ですか?表現方法を教えて欲しいのですが…
と悩んでいる英語学習者に向けて記事を書いています。
●みなさんこんにちは、まこちょです。
みなさん「倍数表現」ってご存じでしょうか?英語で「比較級」あたりを学習していると、このような言葉を目にするようになります。
ちなみに比較を完全に理解したい方は、こちらのロードマップをご覧になってください
通常比較級は-er than…(more- than…)やas~as…といった表現が普通ですが、この形に一工夫すると「~の何倍の…だ」といった表現にすることが出来るんですね。
ところがこの「倍数表現」、実は形が結構多彩です。しかも比較の「倍数表現」に関するルールは意外に多く、少々面倒くさいです。
そこで今回は比較の倍数表現について徹底的にまとめてみました。やたらに質問が多いこの箇所、思い切って完全制覇してみてはいかがでしょうか。
以下の記事をお読みいただくと、次の点であなたの英語力は更なるグレートアップを果たすのは間違いありません。
「倍数表現」とはいったい何?
倍数表現というのは「AはBの何倍の~だ」と、文字通り2倍、3倍などと表す用法です。
通常as~as…などの比較級と一緒に使うのですが、この表現、思った以上に「深い」ので注意しましょう。
―times as~as…「…の-倍の~だ」
例
This house is three times as large as that one.
「この家は、あの家の3倍大きい」
上記の例文は「倍数表現」の基本的な使い方ですが、as~as…の最初のas(ちなみに品詞は副詞です)の前に-times「-倍」の表現を置きます。
まぁ、そういう意味では極めて簡単な表現なのですが、この倍数表現、知っておくべきちょっとしたルールがありますので確認しておきましょう。
-timesを使うのは「3倍」からで「2倍」はtwiceの表現を使うことが多い
まずはここから。この倍数表現ですが、何でもかんでも-timesという表現を使うわけではありません。
例
This house is twice as large as that one.
「この家は、あの家の2倍の大きさだ」
―timesを使うのは「3倍」からで、「2倍」はtwiceを使う場合が多いことは押さえておきましょう。ただし!two timesという表現は使わないというわけではありません。
あくまで優先順位のお話です。
例
She runs twice as fast as me.
=She runs two times as fast as me.
「彼女は私の2倍、速く走る」
同様にhalf「半分」もtimesを使いません。つまりtwice timesとかhalf timesとは表現しないことに注意しましょう。
例
He studied half as much as she did.
「彼は彼女の半分しか勉強しなかった」
また分数倍(1/3など)の時もtimesを使いません。これも知らないと苦労するのではないでしょうか。
例
This dog is two-thirds as large as that one.
(この犬は、あの犬の2/3倍の大きさだ)
ちなみに分数倍の代わりに%(パーセント)表記にすることもできますが、これもtimesを使いません。
例
Women earn nearly 80 percent as much as men in this country.
「この国では女性の収入は男性のおよそ80%です」
小数点のついた倍数表現
倍数表現には、例えば「1.5倍」とか「2.5倍」など、小数点のついたものも当然あるわけですが、表現の仕方に特徴がありますので覚えておきましょう。
1.5倍=one and a half times
2.5倍=two and a half times
例
This box is two and a half times as large as that one.
「この本はあの本の2.5倍の大きさだ」
もちろん単に数字で表現しても大丈夫です(^^)/
例
This box is 2.5 times as large as that one.
倍数表現はas~as…と一緒に使うだけじゃない
この倍数表現は、とにかくas~as…と一緒に使われるものですから、いつしかこのパターンしか倍数表現は使えないんじゃない?とカン違いする方が多いです。
実はこの倍数表現は-er thanなどの「比較級」と一緒に使うことも出来るんです。
例
This bridge is four times longer than that one.
「この橋はあの橋の4倍長い」
as~as…の部分が-er thanに代わっただけで、使い方は全く一緒です。ですが、
この-times +-er than の倍数表現ですが、twiceやhalf、または分数倍は使うことが出来ないことに注意!これも難関大学入試の正誤問題などに登場します。
例
「この橋はあの橋の2倍の長さだ」
×This bridge is twice longer than that one.
↓
○ This bridge is two times longer than that one.
-times the 名詞 of~
倍数表現の「応用形」の形はそれこそたくさんあります。この表現に至っては、もはや「比較級」を使っていませんからね。(/ω\)
as~as…や-er than…の部分をthe 名詞 ofという形で表現することもできるのです。例えば
例
This pen is twice as long as that one.
↓
This pen is twice the length of that one.
「この棒は、あの棒の2倍長い」
例
My house is one-third as large as yours.
↓
My house is one-third the size of yours.
「私の家はあなたの家の3分の1の大きさです」
この時の注意ポイントですが、as~as…も~er than…も、「~」の部分には形容詞か副詞が入りますよね?
ところが-times the ~ ofの「~」部分には、前に冠詞のtheがついていることからお分かりのように、必ず名詞です。
したがってこの倍数表現を書き換えする場合には、形容詞・副詞の部分を名詞にチェンジしなければなりません。
そこで、以下の書き換えパターンを覚えておきましょう(^^)/
large「大きい」→ size「大きさ」
long「長い」 → length「長さ」
high「高い」→ height「高さ」
fast「速い」→ speed「速さ」
wide「広い」 → width「広さ」
deep「深い」 → depth「深さ」
例
Ken drives twice as fast as other people on the road.
↓
Ken drives at twice the speed of other people on the road.
「ケンは道路では他の人の2倍のスピードで運転する」
そもそもなぜ「times」が「~倍」を表すのか?
ここでよくある質問をご紹介します。それは

「なぜ倍数表現の『~倍』を表すのに-timesを使うのか?」
というもの。確かに不思議といえば不思議ですよね。
ですが、答えは簡単。英語では「×(掛ける)」を使うときにtimesを使うからなんですね(^^)/
例
6×4=24
six times four is twenty-four.
3×3=9
three times three is nine.
倍数表現の疑問文はどう表現する?
さて、倍数表現ですが、これが最後のテーマになります。
みなさんは、倍数表現の文章を疑問文に出来るでしょうか?例えば「九州は東京の何倍くらい大きいの?」はどう表現するでしょう?
この倍数表現の「疑問文」ですが、ちょっとしたルールがあります。以下のポイントに気をつけてください。
【倍数表現の疑問文】
- How many times~?を使う
- この場合、必ず比較級表現を使う-er than(more-)as~asで
- timesの後ろには必ず比較級表現を置く
この点に注意して先ほどの日本語訳を英訳すると、
例
How many times bigger is Kyushu than Tokyo?
もちろんas~asの間に、「形容詞+名詞」が入るパターンでも疑問文を作ることが出来ます。
例
She has five times as many books as you (have).
=She has five times more books than you.「彼女はあなたの5倍の本を持っています」
↓
How many times as many books as you (have) does she have?
=How many times more books does she have than you?「彼女はあなたの何倍の本を持っていますか?」
と表現します。必ずマスターしよう!(^^)/
比較の倍数表現:まとめ
さて、今回は比較の「倍数表現」について徹底考察しましたがいかがでしたでしょうか?
倍数表現とかいって軽く構えていると、意外な落とし穴にはまりますので注意が必要です。ぜひマスターしていただいて、今後の英語学習にお役立てください。
なお、今回の「倍数表現」の記事ですが、私のメルマガ「大人のやり直し英文法」からの抜粋になります。もし英文法をもう一度!と考えていらっしゃる方は、ぜひ以下のURLから登録してくださいね!
↓↓↓↓
また会いましょう。
コメント