● みなさんこんにちは、まこちょです。
いや、いきなりで申し訳ないのですが、比較級表現というのは奥が深いですね。英語学習者にとっては、やればやるほど混乱するようです。
先日も生徒からこういった質問がきました。この質問もほんとに多い大人気ポイントですね(笑)その質問内容とは、
「先生、not 比較級 thanとno 比較級 thanは何が違うのですか?」
というもの。確かにこの2つは非常によく似てますから、こういった疑問が出るのはまぁ当然ですね。
not 比較級 than とno 比較級 thanは、確かにnoとnotの違いだけですが、その意味内容は大きく異なります。そこで今回はこの違いを徹底解説!
ぜひマスターしていただいて今後の英語学習にお役立てください。
not 比較級 thanは普通の「否定文」
まず次の例文を見てください。
例
He is taller than I (am).
「彼は私より背が高い」
比較級の基本的な文で難解な箇所は全くありません。すんなりと解釈できると思います。では、ここにnotをつけてみましょう。
He is not taller than I (am).
もちろん、notがついたからって難しくなるわけではありません。notは動詞isを否定、つまり「文」全体を否定することになります。
例
He is tall.
「彼は背が高い」
↓
He is not tall.
「彼は背が高くない」
He is taller than I (am).
「彼は私より背が高い」
↓
He is not taller than I (am).
「彼は私より背が高くない」
簡単ですよね。ところがこれがnotではなくnoを使うと意味が変わるのです。
no 比較級 thanのnoは後ろの「比較級」だけを否定する
ここが最大のポイントなのですが、じつはnoが否定するものはなんと「2つ」あるんです。
no 比較級 thanのnoはまず①として直後の語句、つまり「比較級」を否定します。例えば次の例文を見てください。
例
He is no taller than I (am).
noはまず直後の語句を否定します。したがってこの場合tallerを否定していることになりますよね。つまりここまでは、先ほどのnotの場合と同じく「彼は背が高くない」ということになります。
ところがnoが否定するのは直後の語句だけじゃないんです。なんと比較対象との「差」をも否定しするのですよ!
つまりこういうことです。「彼は背が高くない」のはもうわかっています。そして同時に比較対象、つまりthan以下のもの(ここでは「I」ということになりますよね)との「差」がないのですから、
「彼は背が高くない」
↓
「彼」と「私」の「差」がない
↓
つまり
「『私』も背が高くない」⇐これがポイント!
↓
「彼は私と同じくらい背が高くない」
ということになります。
① 比較級(直後の語)
② 比較対象との「差」
This smartphone is no bigger than my hand.
「このスマホは僕の手と同じくらいの大きさしかない」
= This smartphone is as small as my hand.
「このスマホ僕の手と同じくらい小さい」
no more than
not more than + 数詞 = at most 「せいぜい」
= She has at most five dollars.
no less than + 数詞 = as much / many as + 数詞 「~も多く」
=He has as much as 300,000 yen today.
not less than + 数詞 = at least 「少なくとも」
= Ken has at least five books at home.
no more A than B / no less A than B
あとがき
「noとnotをちゃんと使い分けられるネイティブスピーカーにはお目にかかったことがありません。」「notを使わずにnoで済ましてしまっている人が多く、実際の会話などで、その区別をしようとしても無駄です」(「ネイティブ感覚の英文法」(ジャン・マケーレブ)より)。
比較級の学習方法が分からない!そんな方は以下の記事を確認してみてください
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