この記事は
「英語の5文型の学習方法はどうやったらいいの?」「なぜ5文型を学習しなければならないの?」「英語学習で5文型はどのくらい大事なのか分からない」
と疑問に思っている英語学習者に向けて記事を書いています。
●こんにちは、まこちょです。
英語学習において5文型をしっかり理解することは、今後の長い英語学習人生(?)において欠くことのできないものです。
ですがこの5文型、高校英文法の最初に学習するにも関わらず思った以上に苦手な人が多くなる印象。
特に中学英語の時には5文型の「ご」も触れずにすごしてきた人ほど、高校生になってからこの単元にハマってしまう人が続出します。しかもその理由もはっきりしているんです。
中学生の時にはこれが主語(S)、これが動詞(V)、そしてこれが目的語(O)…と、いちいち意識しなくても英文を読むことができたのに、それが高校生になってから急に【厳密に】品詞をおさえながら英文を読み始めるわけです。例えば
例
He became a teacher.
「彼は先生になった」
ですが、中学のときはこの英文を英文のまま覚えてしまっていると思うんです。ところが高校になると、
He(S) became(V) a teacher(C).
「いいですかみなさん、この例文はHe = a teacherの関係が成り立っていますよね。したがってこのa teacherは補語(C)ということになり、この英文はSVCの第2文型と分かるわけです。したがって「彼=先生」⇒「彼は先生になった」という訳出ができるんですね!」
という説明で、学校の先生が解説を始めるものだから大変です。
それまで主語(S)だの動詞だの(V)だの、いちいち意識しなくても英文を英文のまま覚えていた中学生が高校に入ると突然急に、英語が記号チックに変わってしまうんです。そりゃ戸惑いますよね。
そうすると英語を学習している生徒は、高校英語についてある懸念がわいてしまうんですよね。
「なぜ5文型をやらなければならないの?」
「5文型を学習し始めてから急に英語が分からなくなった」
「5文型を習ってもリスニングとか全く対応できないじゃないか!」
と5文型の学習に対して、肯定的な意見よりも否定的な意見が多くなりがちです。5文型を使わなくても理解できてしまうくらいの短い文章で5文型を教えているから当たり前なんですよね(笑)
5文型は高校英語というより、これからの英語学習において絶対に必要な知識です。
5文型は英語の学習のスタート地点に当たりますので、この5文型を会得しているかそうでないかで、今後の英語力の伸びが変わってきます。
そこで今回は5文型を学習する際に、どのような点に注意を払って学習すればよいのかを教えます。
5文型は学習するときに、【なぜこの知識を身につけなくてはならないか】という点をしっかりと英語学習者に伝えないといけません。
そうしないと「5文型って英語学習に必要なくない?」という疑問が湧いてしまう危険な単元です。
5文型を学習する意味
まず、SVOCの5文型を学習するときに何が一番大事かというと、「5文型を学習する意味」についてしっかりと理解することです。
先ほども言ったとおり、英語学習者の中には、5文型を学習するのに関して「5文型の知識はなにか意味でもあるのだろうか?」と若干懐疑的に構えている人が多いんです。
したがってまずは5文型を学習するとこんなに英語学習に役立つ!という点をしっかり押さえることが重要です。
例えば以下の英文を見てください。
例①
He gave me a present yesterday.
この英文ですが、典型的なSVOOの第4文型なのですが、SVOOの2つのOはそれぞれ訳し方が決まっています。
2つのOをそれぞれ分かりやすくAとBにしてみると
S+V+A+B
「SはA【に】B【を】Vする」と訳します。したがって先ほどの例文は
He(S) gave(V) me(A) a present(B) yesterday.
「昨日、彼は私【に】プレゼント【を】くれた」
という訳になりますよね。ところがこの文がこのように表示されていたらどうでしょうか。
例②
He gave a present me yesterday.
そう、meとa presentをひっくり返しただけの英文なのですが、別に間違いの英文じゃありません。
He(S) gave(V) a present(A) me(B) yesterday.
SVABのAは「~に」Bは「~を」と訳すのがルールですので、いくら日本語として変であっても以下のように訳さなければなりません。
「昨日、彼はプレゼント【に】私【を】くれた」
なんかすごい変な訳なのですが、SVOO文型のルールに従うとこう訳さなければなりませんよね。
まちがっても、こんな英文の訳のわけがない!とか言って「昨日、彼は私【に】プレゼント【を】くれた」なんて勝手にもどしてはいけませんよ。
と、このように英文の文型が正確に分かるということは、その英文の正しい意味が分かるということを意味します。
これまでただ何となく単語の意味を繋ぎ合わせて、「おそらくこんな訳なんじゃないかなぁ~」なんて思いながら英文を訳していた人にはいいターニングポイントです。
5文型を学習するということは正確な訳し方が分かるようになるということを肝に銘じて勉強することが大事ですね。
5文型を作るのは「動詞」
5文型を学習するときにまず何から手をつけるべきかですが「動詞」について学習するのがいいでしょう。
5文型の単元でいうと「他動詞・自動詞」という項目なのですが、ここで注意しなければならないことがあります。
参考書によってはSVOCの5文型の単元の後に「自動詞・他動詞」の単元が続いているものがあるのですが、私の個人的な意見を言わせてもらうと、この配列は「間違っています」。
文型を決めるのは「動詞」です。つまり動詞は「司令塔」みたいなもので、動詞の性質の違いによって、後ろに名詞が続いたり、それとも前置詞が続いたりするのです。
しかも動詞ごとにその性質が決まっていますので、動詞の使い方を理解しなければ5文型の特徴なんてわかるわけないんですよね。
例えばdiscussは「~について議論する」という単語ですが、この単語は主に「他動詞」として使います。
他動詞というのは、動詞の後ろに【必ず】名詞が必要なんですね。
ということは、discussを英文で使うときには必ず以下のような形で使うということじゃないですか。
discuss + 名詞
例
We discussed the problem three days ago.
「我々は三日前にその問題について議論した」
それを「~について」と訳すからaboutをつけちゃえ!とかいって以下のように表現してはいけません。
× We discussed about the problem three days ago.
「我々は三日前にその問題について議論した」
なぜかというとaboutを入れてしまうと他動詞のルールから外れてしまいます。一見良さそうに見えるんですけどねぇ。
5文型の理解の一歩は「動詞」から!自動詞・他動詞についての記事はこちらをどうぞ
5文型の「型」は動詞で決まる
動詞の性質を理解したらいよいよ5文型について学習していきましょう。
【5】文型というからには、もちろんその型は5つあるのですが、第1文型から入る前に、一度5文型を縦に書き出して眺めてみるのをおススメします。
① S+V
② S+V+C
③ S+V+O
④ S+V+O+O
⑤ S+V+O+C
こうして眺めてみるだけでいろいろ分かります。例えば第①文型はS+Vですが、動詞(V)の後ろに何もありませんよね?
そうつまりこの文型を取る動詞は必ず「自動詞」ということになります。他動詞だったら後ろに名詞が必ず必要ですものね。
ところが第③文型をみてください。後ろに目的語(Oと表記します)がありますよね。
これって言い換えると動詞の後ろに名詞(O)が必ずあるってことじゃないですか、目的語って必ず「名詞」がなるんですから。
そうつまり第③文型の動詞は必ず「他動詞」ということになりますね。こんなことがこの表からでも分かるんです。
それだけではありません、もっとよく見てみましょう。例えばどの文型でも動詞(V)の前には必ず主語(S)がありますよね。もちろんそれは動詞が指令を出しているからです。
「動詞(V)の前に主語(S)を置く」
てね。
つまり5文型というのは動詞からの指令が「5つ」あるということにほかなりません。この感覚を持つことが非常に重要です。
第①文型はS+Vだがこれだけで使うのはまれ
第①文型は上の表から見るとS+Vで一見簡単そうなのですが、短いゆえに、修飾語句(M)などを伴うことが多いことをまず押さえておきましょう。
例
Ken looked.
「ケンは見た」
確かにlookは自動詞で第①文型を取ります。したがってこれはこれで間違ってはいないのですが、「ケンは見た」だけだとあまりにも情報が少なすぎですよね?
したがってlookの後ろに修飾語句として情報をつけたすのはよくあるパターンです。
Ken looked at her book.
「ケンは彼女の本を見た」
There is (are)~の文は第①文型
第①文型を学習する上で忘れてはいけないのはThere is(are)~の文も第①文型に入るという点です。
There is(are)~の文は「倒置」の形で主語(S)と動詞(V)が逆になっていることをしっかりつかむことが重要です。
There is(are)~の文の特徴についての記事はこちらをどうぞ
ちなみにThere is(are)~の文は「~」の部分が主語(S)になるのですが、この主語(S)に冠詞のtheがついた名詞は主語になることができません。
例えば以下の文は誤りなのですが、なぜ間違っているのか分かるでしょうか
例
There was the book on your desk.
これもThereの文がなぜ存在するのかかかわる非常に重要なポイントですので合わせて学習すると良いでしょう。
There is 名詞の「名詞」には「the+名詞」が来てはいけない理由は以下の記事を参照してください。
第②文型(SVC)と第③文型(SVO)は同時に学習するのが良い
第①文型を学習したら次は第②文型の勉強に移動するのですが、ここで1つ注意ポイントが。
これはあくまでも長年生徒に教えてきた経験からのお話なのですが、SVC(第②文型)とその次のSVO(第③文型)は「同時に」学習するのがいいです。
もちろんちゃんとした理由があって、
SVC
C ⇒ 名詞 / 形容詞
SVO
O⇒ 名詞のみ
でわかる通り、目的語(O)になることのできる品詞は「名詞」のみですが、補語(C)になることのできる品詞は「名詞」と「形容詞」で2つあります。したがって
例
I am happy.
の文型はhappyが「形容詞」なので、すぐにこの文はSVCであるとわかりますが、それが
例
I became a teacher.
I have a teacher.
となった場合、a teacherは「名詞」なので、この2つ文はSV+名詞という形では同じなのです。
それを片方はCでもう片方のa teacherはOだ、とはっきり言えるようになるためには、SVCとSVOの違いというのを「同時に」学習したほうが、比較ができて定着しやすいというメリットがあるんですね。
第②文型(SVC)と第③文型(SVO)の違いについてしっかりと理解したい場合は以下の記事がおススメです。
Cが名詞か形容詞かを使い分ける
またSVCにはS=Cと、SとCの間に「厳密に」=の関係がないと、Cに名詞が使えないというポイントがあります。
もちろん入試頻出ポイントなので、第②文型を学習する際にはしっかりと押さえておくのが重要です。
「彼は親切だ」の英文にHe is kindness.と言えない理由を知りたい人は以下の記事を読んでおきましょう。
SVOの動詞の意味の絞りかた
またこれは若干応用的なお話になりますが、SVO第③文型の動詞は、後ろに続く前置詞の種類によって、ある程度意味が特定できるというのは知っておいてよいかもしれません。
ですがこの知識は、まだ熟語表現に疎い人には若干難易度が上がります。まずはSVOの性格とはどういうものかを捉えた上で、次のステップに進むといいでしょう。
SVO初学者はここまで気にしなくてもとりあえずは大丈夫です。
SVO + 前置詞~の形は動詞の意味をある程度絞ることができる!詳しい記事はこちらです。
ここまで(SV / SVC / SVO)の文型をまとめた記事は以下の記事になります
第④文型(SVOO)は動詞の意味が同じになる
SVCとSVOの違いがしっかり理解できたら続いて第④文型(SVOO)に進むことになります。
この文型も、本来はSVOCの第⑤文型と一緒に学習したほうが効率がいいのですが、第④文型について学習する項目が多いので、あえてSVOOとSVOCを同時に学習しないのがおススメです。
第④文型で意識しなければならない重要ポイントはSVOOの動詞は「授与動詞」といって、「与える」「授ける」の意味になりという点。
したがって英文中に見たこともないような動詞が出てきても、後ろの名詞の形からSVOOと特定できれば、自動的にその動詞の意味は「与える」「授ける」の意味になるというところがまず重要です。
SVOOの基本ルールは以下の記事を参考にしてください
SVOOからSVOへの書き換え
SVOOの第④文型はSVOの第③文型に書き換えが可能です。
例
He(S) taught(V) her(O) English(O).
「彼は彼女に英語を教えた」
↓
He(S) taught(V) English(O) to her.
この時、SVOに変形した際に前置詞 to / for / ofを使うことになるのですが、to と forに関して言えば、単純に暗記ではなく理屈で処理することができます。
forを使うパターンをまずは会得してしまい、それ以外はtoになる、という捉え方が一番楽ですね。
SVOOからSVOへの書き換えでto とforを使い分ける方法は以下の記事を参照してください。
SVOCの第⑤文型はSVOO文型と比較して学習する
最後に第⑤文型SVOCを学習します。このSVOC文型を学習するときのポイントは、SVOO文型と何が違うのかを強烈に意識することです。
先ほどのSVCとSVOの違いと同じように、最後のOの部分に「名詞」が来た時の判断方法をしっかり学習すると良いでしょう。
● SVOO
Ken made his friend a house.
「ケンは友人に家を作ってあげた」
● SVOC
Ken made her friend a great teacher.
「ケンは彼女の友人を偉大な先生にした」
SVCとSVOCの応用形!「準補語」の存在を押さえておこう!
この記事はSVOCの5文型についての学習方法についてご紹介していますが、実はCの補語については、注意が必要な形があります。
英語の5文型で使う補語ですが、実は2種類あるんですね。
通常のSVOCで使う補語と通称『準補語』と呼ばれる補語があるんです。もちろん正規の5文型の使い方とは全く異なる補語の使い方ですので、5文型の最後のシメとして押さえておくことをおススメします(ただし必ず最後に行うこと!途中で準補語について学習すると頭が超混乱します(笑))
あとがき
今回は5文型の学習手順についてまとめてみました。
最後に5文型の学習手順ポイントをまとめてみます。
① 5文型を学習する意義
↓
② 自動詞と他動詞の学習
↓
③ 第1文型
●Thereの文について
↓
④ 第2文型と第3文型
● SV+名詞の見分け方
● SV+名詞 / 形容詞の違い
↓
⑤ 第4文型
● SVOOの動詞の性質
● SVOO ⇒ SVOの書き換え
↓
⑥ 第5文型
● SVOOとSVOCの違い
ぜひ5文型をマスターして今後の英語学習にお役立て頂ければ幸いです!
また会いましょう。
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